とろける甘みの貴腐ワイン・デザートワインおすすめ|自然派の甘口

貴腐ワインとその他の甘口デザートワイン

前回の記事でワインには色々あるというお話をしましたが、

今回は実はかなりの甘口ワインラヴァーである筆者が愛してやまない

貴腐ワイン|デザートワインについての記事を書きたいと思います。

レストランで食事をした後、最後の楽しみ。筆者はこれです。

とろける夢見心地な甘さ、でもただ甘いだけじゃなく適度な酸がとても上品な味わいのデザートワイン。

必ずこちらをほんの少しの量頂くようにしています。蒸留酒(マール、グラッパ)なんかを頂くこともありますが、やはり甘口の満足度には敵いません。

本当に幸せな気分になれる魔法のお酒だと思っております(真剣)。

ややこしいワインの話は控えめに、どんなものがあるか簡単にご紹介しますね。

甘口のワインにも色々な種類があります

一口に甘口ワインと言ってもその製法、味わいには色々あります。ここではその代表的なものをいくつか挙げます。知っておくとよりワインを楽しめますよ。

貴腐ワイン

貴腐ワイン

恐らくこちらが最も有名でしょう。

樹上で完熟したブドウに貴腐菌が付くとブドウの皮に小さな穴が開きます。そこから水分が蒸発して干しブドウ状態に。

その糖度が上がったブドウで造るワイン。非常に特殊な気候条件(昼は乾燥して夜は湿度が高いなど)の下でしか造れません。

果汁が少ない分、出来上がるワインの量も極少、希少で高価なワイン。

フランスのソーテルヌ

ドイツのトロッケン・ベーレン・アウスレーゼ

ハンガリーのトカイ・アスー・エッセンシア

世界三大貴腐ワインと呼ばれています。

他にはフランス、アルザス地方のセレクション・グラン・ノーブル、ロワール地方のボンヌゾーカール・ド・ショーム、オーストリア、ノイジードラーゼーのルスター・アウスブルッフなども有名です。


アイスワイン

こちらも有名ですね。

非常に寒さの厳しい地域で収穫の遅い完熟ブドウが樹上で凍ることにより出来る甘口ワインです。貴腐ワイン同様、偶然の産物です。

こちらも果汁が極端に少ないため、そこから造れるワインはごく少量となります。

ドイツやオーストリア 、カナダの本当に限られた地域でしか造ることができません。


遅積みワイン

その名の通り、通常より収穫を遅らせて完熟、過熟したブドウで作ったワインです。収穫を遅らせることでブドウの凝縮度、糖度が上がります。

フランス、アルザス地方のヴァンダンジュ・タルティヴ、ドイツのシュペートレーゼなど。


フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)

前回の記事の中でもご紹介しましたフォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)。

醗酵中にアルコールを添加して醗酵を止め、ワインの中の糖度を残すタイプです。糖度が残って甘口になるものから、辛口になるものまで様々です。

代表的なものはポルトガルのポートワイン、やマデイラ、スペインのシェリーのそれぞれ甘口タイプ。

他にはフランスのヴァン・ドゥ・ナチュレル(VDN、フランス、ルーション地方のバニュルスなど)、ヴァン・ド・リクール(醗酵前の果汁にアルコールを加えるタイプ / VDL、フランス、ジュラ地方のマクヴァン・ドュ ・ジュラ)などがあります。


その他の甘口ワイン

他にも有名なものですと、収穫したブドウを干して糖度を上げて造るタイプもあります。

フランス・ジュラ地方のヴァン・ド・パイユ(藁の上で乾燥させたブドウを使ったワイン、藁ワインとも呼ばれる)、

イタリア、トスカーナ地方のヴィン・サント(陰干しブドウを使ったワイン、藁の上で乾燥させることもある。極甘口〜辛口まで)、

同じくイタリアのパッシートレチョート(陰干ししたブドウを使ったワイン)などなどたくさんの種類があります。

ちなみに藁の上で乾燥させたものは、藁の形がストローに似ていることから「ストローワイン」ということもあります。


という具合に世界には様々な地方、製法の甘口ワインが存在します。こちらでご紹介したものは極甘口のものがほとんど。ほんのり甘口のものはまた別記事にてご紹介します。


【あわせて読みたい】こちらでもフォーティファイドワインをご紹介しています↓↓↓

https://www.blogkamiyan.com/winetype/

特に有名な銘柄|シャトー・ディケム

有名な銘柄の貴腐ワインは他のサイトでもたくさんおすすめされていますので、ここではあえてひとつだけにしておきます。

貴腐ワインと言えば、ここを知っておかなければ始まらない!名実ともに世界最高峰の造り手。


シャトー・ディケム Chateau d’Yquem|フランス・ボルドー地方

フランス、ボルドーのソーテルヌ地方で唯一のプルミエ・クリュ・シュペリールに格付けされている造り手。貴腐ブドウの栽培に奇跡的に恵まれた環境だけでなく、一切の妥協を許さない作り手の信念も素晴らしい。間違いなく世界最高峰の貴腐ワイン。高価なのでまずはハーフボトルを。


以前にご紹介した「フィラディス」さんにも素敵な、かつお手頃な貴腐ワインあります↓↓↓


筆者特におすすめは自然派の造り手のデザートワイン

当ブログでおすすめしたいのはやはり自然派の造り手によるデザートワイン。

農薬や化学肥料を使わずに栽培された凝縮感あるブドウ、醸造、瓶詰めの際も添加物を加えず、できる限り人的介入を減らした自然なワインは体にすーっと馴染む柔らかさがあります。

自然派というと状態の不安定さを気にされる方がいますが、甘口のワインはその糖度の高さゆえ、非常に安定しています。

個人で運営しているような小規模生産者がほとんどですので、生産料は非常に少ないです。そんなワインが日本で飲めることにも感謝ですね。

筆者も何度も飲み比べましたが、やはり自然派のものがしっくりきます。

甘さと凝縮感の中に適度な美しい酸、そして何より飲み口の柔らかさは文句なしに素晴らしい。非常に飲みやすいものが多いです。

普段はクラシックなワインしか飲まない!というお店のお客様にさりげなくお出しすると大好評なのも頷けます。

なんならディケムより推します。

以下自然派デザートワインのご紹介です。すぐ売り切れてしまうものが多いので随時追加修正予定。


ドメーヌ・ド・ラ・ボルド Domaine de la Borde|フランス・ジュラ地方

自然派の聖地とも言えるフランス・ジュラ地方の造り手。初リリースは2004年。ピエール・オヴェルノワを師と仰ぐ、若手ながら素晴らしいワインを造る期待の超新星!甘口だけでなく他のワインのクオリティも高く見逃せません。

ヴァン・ド・パイユ

藁の上に並べて乾燥させたブドウを使う伝統的な極甘口ワイン。寒さのため熟成が遅れたのが功を奏して酸とのバランスが秀逸。フルーツを使ったチョコレートのデザートやチーズと。

マクヴァン・ド・ジュラ

醗酵前のサヴァニャンの果汁にジュラのマールを加えて造られる甘口ワイン。ナッツ、バニラ、カカオなどの複雑な香りと味わい。


レ・ヴィーニュ・ドゥ・ババス Les Vigne du Babass|フランス・ロワール地方

2010年に惜しまれつつ解散した伝説のドメーヌ「グリオット」の一人。ちなみにもう一人はパトリック・デプラ。現在はぞれぞれでワイン造りをしていますが、その方向性は変わらず。自然を尊重したワイン造りをしています。

マイ・スウィート・ナヴィーヌ

通常は辛口のワインを造るナヴィーヌという畑ですが、こちらは遅摘みにして甘口のワインを造っています。蜂蜜やかりんシロップのような甘み、ドライフルーツやナッツの複雑な香り。


シャトー・レスティニャック Chateau Lesrignac|フランス・南西地方

ベルジュラックの若いカップルによるセンス抜群のワイン造り。これまでのブドウ品種や生産地のイメージを払拭し、本質を追求したピュアな液体。ファン続出の魅力的なワイン造りです。

ブラスト

ぶどうの梗をつまんで房を樹にぶら下げた状態で干しぶどうの様に凝縮したぶどうを遅摘み。3日間に渡り1滴1滴ゆっくり圧搾し、イタリア製アンフォラにて発酵。残糖225g/L、アルコール10度の甘口。


ラ・ビアンカーラ La Biancara|イタリア・ヴェネト州

ラ・ビアンカーラはイタリア・ヴェネト地方の造り手。自然派ワイン好きに大人気の造り手で「大人のポカリスウェット」の異名を持つ「サッサイア」は素晴らしい飲み心地。比較的低価格で手に入るのも嬉しい。

レチョート・ディ・ガンベッラーラ

陰干ししたがルガーネガで造る甘口ワイン。干しブドウ感がしっかりとあり、非常に濃厚で深い味わい。ノンフィルターで瓶詰め。なんと酸化防止剤も無添加。


マッサ・ヴェッキア Massa Vecchia|イタリア・トスカーナ州

自然派ワイン好きならお馴染みでしょう。みんな大好きなトスカーナのマッサヴェッキアです。筆者もこのワインをお出しして嫌な顔をされたことはありません。

ここまでピュアで生命力に溢れたワインを造る造り手はなかなかいないでしょう。

パッシート

陰干ししたアレアティコから造られる赤の甘口ワイン。アルコール感は少なく滑らかな口当たり。これは是非チョコレートと合わせて頂きたいです!


マルコ・デ・バルトリ Marco de Bartoli|イタリア・シチリア州

イタリア、シチリアといえば酒精強化ワインのマルサラでしょう。こちらのマルコ・デ・バルトリもマルサラを造っています。(もちろんマルサラ以外も造ってます)。ワイン法などで縛られる現代のワインに疑問を持ち、独自性の非常に強いワイン造りをしています。

マルサラの既成概念を超えた「ヴェッキオ・サンペーリ」は神がかったワインだと筆者は思います。

マルサーラ ヴィーニャ・ラ・ミッチャ

繊細な香りとフルーティーさを活かしたセミドライタイプのマルサラ。彼のキュヴェの中ではモダンなスタイル。

ヴェッキオ・サンペーリ

甘口ではありませんがぜひともご紹介したいワイン。従来のマルサラはアルコールと果汁を醗酵途中に添加しますが、こちらはそれをせずさらにソレラ・システムで熟成。ワイン雑誌でも非常に高い評価のワインです。


上記の自然派デザートワインはこちらの記事のショップで買えます↓↓↓


まとめ

今回は筆者も愛する甘口ワインについての記事を書かせて頂きました。

普段あまりワインを飲まないという方や女性の方にも自信を持ってお勧めできるワインです。

実際にお店でお出ししても女性の方への受けが抜群に良いです。

食前、食後に単体で楽しむもよし、デザートと合わせるもよし、他にもフォアグラやチーズとの相性は定番ですね!これ以上無い幸せな気分になれることでしょう!

またその糖度の高さから、デザートワインは抜栓後の変化が少ないものがほとんどです。冷蔵庫での保存で、一ヶ月〜二ヶ月くらいなら余裕で持ってくれると思いますのでご自宅でも楽しみやすのではないでしょうか?

価格はすごくお安いのは少ないですが、果汁の凝縮度や造り手の手間を考えると納得ですね。実際少しづつしか飲まないのでなかなか減りません。

貴腐ワイン|デザートワインを楽しむきっかけになれば嬉しいです。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。それでは。


こちらの記事で貴腐ワイン|デザートワインと一緒に楽しみたいチョコレートをお取り寄せ限定でご紹介しています↓↓↓

貴腐ワインのアイキャッチ画像、ワインの画像
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