今回改めてご紹介するのは、以前の記事でほんの少しだけ触れただけなのですが、お問い合わせの多かったワイングラス。

イタリア自然派ワインの巨匠「ラディコン」がスロヴェニアの「ロガスカ」に特注して作らせた通称「ラディコングラス」です。

当ブログでもこれまで何度かワイングラスの特集をしてきました。
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海外大手メーカーの「リーデル」や「ツヴィーゼル」、高級路線の「ザルト 」や「ロブマイヤー」、アンティーク好きに人気の「バカラ」、日本が誇る「木村硝子店」などなど。
みなさまご存知の通り、どのメーカーもそれぞれの個性ある本当に素晴らしいワイングラスを作っています。
できるなら全部メーカー揃えたい!と思っている方も中にはいるのではないでしょうか?資金に余裕があるならばグラス別の飲み比べなんかも憧れますね。
そんな素晴らしいワイングラスの中でも一際異質な存在、かつ自然派ワイン通からの絶大な支持を得ているのがこの「ラディコングラス」であります。
その美しいフォルムと使い勝手の良さに魅了されたファンは数知れず。
ご興味あれば是非、読み進めてください。
イタリア自然派ワイン界の巨匠「ラディコン」
ここではご存知なかった方のために「ラディコン」という生産者について簡単に少しだけ触れておきます。


ラディコンは前述の通り、イタリアの偉大な造り手です。
前当主の「故スタンコ・ラディコン」が設立。
挑戦的なワイン造りで周りの生産者に非常に大きな影響を与えました。スタンコ2016年に亡くなっており、現在は息子のサシャがその後を次いで奮闘しています。

赤・白どちらも造っており、共に個性ある本当に素晴らしいクオリティなのですが、やはり彼のワインにおいてまず取り上げなければならないのは、他とは一線を画す、特殊な造りをしている「白」でしょう。
白葡萄の皮ごと醗酵させ、その成分を抽出するスタイル。
最近の言葉では「オレンジワイン」と表現されるようになりました。
白ワインとは思えないほどに濃い褐色の液体。
溢れ出す独特のアロマにとても複雑な味わい。皮由来のタンニンも感じます。
お料理を合わせるのであれば、スパイスやハーブのきいたエスニック系のお料理、または中華料理なんかしっくりくると思います。


確かにラディコンのワインならしっくりきそう…
もちろん彼の赤ワインもとんでもなく素晴らしいです。「オレンジワイン」のみに注目が行きがちですが、忘れてはなりません。
国際品種のメルロー、ピノ・ノワールにイタリアワイン好きでなければあまり耳馴染みがないであろうピニョーロなど。
メルローやピノ・ノワールも一般的なイメージとは違い、独自の深い味わいです。更に今出回っているものは、かなり長い熟成期間を経たもの。飲んでおく価値は絶対にあります。(断言)
同じくフリウリの造り手である「ヨスコ・グラヴナー」と共にイタリアの偉大な造り手であると言って良いでしょう。
ラディコンとグラヴナー、同じように白ワインの皮を漬け込んで作るスタイルですが、二人は根本的なところが違うように思います。
ちょっとわかりにくいかもですが、
ラディコンは「酸化的マセラシオン」、グラヴナーは「還元的マセラシオン」
といった個人的イメージです。

ここ日本においても彼らのファンは非常に多いです。
ラディコンのワインを飲むために生産者自ら特注した希少なワイングラス
前述の通り、「ラディコングラス」は自然派ワイン好きならおそらく知らないであろう、イタリア・フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州の偉大な造り手「ラディコン」が、自分の造ったワインを飲むために作らせた特注のグラスです。
では実際どんなグラスなのでしょうか?
その特徴や価格、実際に使用している筆者の感想を交えて簡単にご説明したいと思います。
ラディコングラスを実際に使ってみた感想|特徴や価格など
ハンドメイドでひとつひとつ丁寧に作られるラディコングラス。
まず見た目ですが、非常に綺麗な流線型が特徴。
脚が細く長く、スマートな印象。
ボウル部分はぽってり丸く美しさの中に可愛らしさもあります。

脚は細いですが、リーデル、ザルト 、ロブマイヤー、木村硝子店の高級ラインなんかと比べるとほんの少し太いです。(それでも一般的なグラスよりはかなり細いのですが)
ガラスの厚みも非常に薄いですが、上記のメーカーの高級ラインよりはほんの少し厚めな印象を持ちます。重さもやや重いでしょうか。
せっかくなので、一般的なワイングラスと見た目で比較してみましょう。
今回はリーデルの「オヴァチュア・レッド」との比較です。
写真はどちらもグラス一杯分(100ml)を注いだ状態の画像です。

実際に使ってみた感想ですが、ズバリ、とても良いです。
まず使い勝手が良く、ワインを選ばないということ。
華やかなアルザスの白、こってりめのブルゴーニュのシャルドネ、同じくブルゴーニュのピノ・ノワール。
軽やかなボジョレーから、頑強なローヌのシラー、はたまたコクのしっかりあるブラン・ド・ノワールのシャンパーニュなんかにも対応してくれる万能型ですね。
ワインの見た目の先入観なしで飲める「黒ラディコングラス」もあります。
ブラインド用にも良いですね。

そして、これ意外と重要なのですが、ガラスが丈夫で割れにくいです。
流石に落とすと割れますが、洗い物の際は結構ゴシゴシやっても問題ありません。
そして気になる価格ですが、3500円+消費税ほど。
高いと捉えるか、低いと捉えるがは人それぞれですが、個人的見解ではかなりお買い得な素晴らしいグラスだと思います。
ラディコングラスの輸入元はワインのインポーター「ヴィナイオータ」さん
こちらのグラスの輸入元はワインのインポーターである「ヴィナイオータ」さん。同じくラディコンのワインを輸入されています。
ですので他のワイングラスとは違い、基本的にワイン屋さんに卸されています。
一般的な食器屋さんなどでは取り扱いはないと思って頂いて良いです。
つまりラディコンのワインを扱っている酒屋さんでのみ、購入することができます。
しかしながら数は少ないので、入荷してもお得意さんの購入ですぐに売り切れ。
また、ラディコンのワインとのセット販売という形が多いように思います。
ラディコングラスは現在非常に入手困難|オークションなどでは高値がつくことも

おそらくこの記事を読んでいただいて、「ラディコングラス」欲しいなぁと思っていただいた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかしながら現在、こちらのラディコングラスは非常に入手困難…
某オークションサイトに出品されても非常に高値で取引されています。
純粋にラディコンのワインをラディコングラスで味わいたいだけの方からすれば、なんとも言えない状況です。
個人的にはオークションなどで、高値で購入されるのは正直おすすめできません。
できるならば、ラディコンのワインの扱いがあるワイン屋さんから入荷の知らせを待ちましょう。
他にもある!ラディコン以外の生産者特注ワイングラス
ラディコン以外にも生産者特注のワイングラスがあります。
下記の2種類のグラスもイタリア・フリウリの生産者です。
グラヴナーグラス

脚のない斬新なスタイル。大振りのボウルに持ちやすいように凹みがあります。
一般的なワイングラスのイメージとはかなりかけ離れた形ですが、ひとつ持っておくと面白いですね。
実際に使ってみたこともありますが、飲みにくい、使いにくいといったことはなく、グラヴナーのワインの話題で盛り上がりました。
ダミアングラス

なんとこちらのグラス制作を担当しているのはオーストリアの有名グラスメーカー「ザルト」です。
ラディコングラスと似た形ですが、こちらの方がガラスは薄く、脚も細いです。
価格的にも倍近いお値段になります。輸入はエヴィーノさんという、これまたイタリア自然派ワインのインポーターさんです。
しかしながらこちらもラディコングラス同様に入手困難。
ホントにそれだけが悩ましいところです…
まとめ
以下ラディコングラスのまとめです。
- 「ラディコングラス」はイタリアの生産者「ラディコン」の特注グラス
- 製造を担当しているのはスロヴェニアのロガスカ社
- 流れるような美しいフォルム
- ワインを選ばない万能型
- 繊細な見た目に反して意外と丈夫
- 輸入元がワインのインポーターのため、購入できるのはワインショップ
- 入荷数が少ないため、非常に入手困難
- オークションサイトでは高値を付けている
- 他にも「グラヴナー」「ダミアン」といった生産者特注のグラスがある
なかなか手に入れるのが難しいグラスですが、自然派ワインを扱うレストランでもかなりヘビーに使われているところからもその品質は保証済みですね。
すごく良いグラスので、見つけたら是非購入をおすすめします。
ぜひラディコンのワインと一緒に楽しんで頂きたいです。
今回はここまで。最後までお付き合いありがとうございました。